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JPR&C
ニュースレター
企業の経営戦略立案や
各種リスクマネジメントに役立つ
国内外の最新情報などを
お届けします。
Vol.17 2024/10/01
JPR&C『環境デューデリジェンス』ご提供開始
– ESG時代の多様化・複雑化する環境リスクへの対応 –
この度、弊社はESG時代の環境リスクに対応した『環境デューデリジェンス(DD)』サービスを開始しました。従来、環境DDの関心事は「大気」「土壌」「水」「騒音」「振動」「悪臭」の6公害が中心でしたが、近時は法改正などにより、「作業環境」や「有害物質・廃棄物」、さらに「生物多様性」などへの対応も求められており、弊社サービスを通じてお客様のご対応をサポートいたします。
Vol.16 2024/09/25
『高まる海外事業展開におけるリスク』
– 地政学リスクと人権リスクに平時から十分な備えを-
近年、ウクライナ情勢や中東の不安定化、ミャンマーや アフリカでのクーデター、米中摩擦、台湾有事懸念など、 世界各地で紛争や緊張の高まりが見られ、企業の事業活動を取り巻く環境も一層不安定化しています。特に海外に事業展開する企業にとりましては、地政学リスクへの対応は喫緊の課題と言えますが、さらに重要となっているのが人権リスクへの対応です。企業は平時から情報収集やステークホルダーとの対話などを行い、地政学リスクや人権リスクに備えることが一層重要になっていくものと思われます。
Vol.15 2024/06/07
『持続可能な産業・社会構造への転換と留意すべきリスク』
-トランジションリスクに対するもう一つの視点-
パリ協定が求める「国が決定する貢献(Nationally Determined Contribution, “NDC”)」の次回提出が近づいています。国際環境シンクタンク「クライメート・アクション・トラッカー」による試算では、現行の政策ではパリ協定の1.5℃目標に届く見通しが立っておらず、次回のNDCにおけるサステナビリティ規制の動きに注目が集まります。そうした中で、COP29の議長国アゼルバイジャンから途上国への気候変動対策資金支援の充実に向けた議題が提起されるなど、金融のあり方についての議論が進む動きも見られ、今後は資金支援先企業に関する実態把握の重要性が増していくものと考えられます。
Vol.14 2024/04/17
緊迫するイラン・イスラエル関係
「一線を超えた」イランと中東情勢の今後
4月13日夜からのイランによるイスラエルへの初の直接的なミサイル攻撃は、今後の中東地域情勢を左右するエポックメイキングな事件として格別注目に値します。今後、イ・イ両国はもとより日本を含むG7諸国および中露等の主要国の意向も作用するなか、事態のエスカレーションをいかに回避するかが、当面の課題と言えますが、我が国企業には、ウクライナ、台湾等の他地域との地政学的連関を視野に入れたマクロのリスク把握と自社の事業戦略上のチョークポイントを正確に把握する「地政学デューデリジェンス」が何より求められていると言えます。
Vol.13 2024/01/31
実効性あるウクライナ支援にむけて
相手をよく知る:Know
Your Customer (KYC)
日本ウクライナ経済復興支援会議が02月19日に東京で開催される運びとなりました。これを機にウクライナと日本の経済・文化交流が促進され、日本企業によるウクライナ企業などへの支援も本格化することが期待されます。ただ一方で、ウクライナはもともと贈収賄リスクが高い国でもあり、実際の支援においては、事前に相手先をよく知る(Know Your Customer(KYC))ことも必要不可欠となります。
Vol.12 2023/12/14
『一層求められる日本企業の人権への取り組み』
世界人権宣言採択75周年における「人権」
12月10日に国連の「世界人権宣言」が採択75周年を迎えました。この機会に改めて同宣言を読み返すと、今日の人権関連法制の基礎となる宣言であることが再認識されます。今日の日本においても、とりわけ企業の「人権尊重」への取り組みが求められており、今後の人的資本経営の本格化やサステナビリティ経営の文化醸成を見据えた人権尊重への積極的な対応が、サステナブル社会における企業価値向上へと発展していくものと思われます。
Vol.11 2023/12/11
『民生技術の輸出管理に実効性ある調査を』
輸入手段の巧妙化で重要技術の流出リスクが高まる
世界は保護主義・ナショナリズム、新冷戦といった不安定な時代に突入しており、これまでの安定的な自由貿易を前提とした企業活動はますます難しくなりつつあります。このような環境下で企業の事業リスクは急速に高まりつつあり、企業にはますます「リスクと機会」の両方の観点から日々情報をアップデート、分析し、経営判断に反映していく取り組みが求められます。
Vol.10 2023/11/22
『企業価値に影響を及ぼす地政学リスク』
経済が政治目的達成の手段となる時代へ
先月に突然勃発したイスラエル・ハマス戦争は、世界でも有数のハイテク・ベンチャー企業を持つイスラエル経済だけでなく、その出資元企業の業績などに大きな影を落としており、地政学リスクが経済や企業業績に突然与えるインパクトの大きさを物語っています。混沌とした国際情勢を背景に、企業は地政学や経済安全保障面でのリスクに対し、日頃からの関連情報の収集や分析、またM&A先などのKnow Your Counterparty(KYC)がますます求められます。
Vol.9 2023/11/06
『細る中国への直接投資』
警戒高まる地政学リスク、経営の中心的課題に
外資による中国への直接投資が細っています。米中摩擦の激化やゼロコロナ政策によるサプライチェーンの混乱、ウクライナ情勢などを背景に地政学リスクへの警戒が高まっており、企業のデリスキングの動きが進みつつあることが示唆されます。地政学リスクや経済安全保障への対応は今や経営の中心課題になりつつあり、強固なリスク管理態勢と不断の情報収集・分析が欠かせません。
Vol.8 2023/10/27
『米中対立に緩和の兆し』
期待される米中対話の再開
米中対立に緩和の兆しが見られます。中国は米国の制裁対象となっている国防相を解任するとともに、王毅共産党政治局員兼外相が訪米するなど、米中国防対話の再開が期待されます。ただし、お互いの国内事情からの歩み寄りの側面もあると思われ、有事前のつかの間のモラトリアムにならないことを望みたいところです。
Vol.7 2023/10/12
『重要性高まるビジネスと人権』未成年性加害問題が問うビジネスにおける人権尊重のあり方
大手芸能事務所の元代表による長年に亘る性加害問題は収まる気配がないですが、この問題が特異なのは、今年3月の英BBC報道、4月の外国特派員協会での被害会見、8月の国連による直接調査と、国内ではなく、国外からの指摘や救済要請で事態が動いた点です。企業によるビジネスと人権の取組みへの国外発の要請は今後も高まる一方と思われます。
Vol.6 2023/09/12
人権・環境重視の供給網
優遇策の対象に
西村康稔経済産業相は、先週の英国国際戦略研究所(IISS)でのスピーチにおいて、重要物資のサプライチェーンで環境負荷や労働・人権などの国際基準を満たす物資の購入に補助金を出し、政府調達で優遇する政策案を表明しました(7日の日本経済新聞朝刊記事)。優遇の対象となる物資はその製造過程において、強制労働に頼らず、環境にも十分配慮されているものが想定されています。
Vol.5 2023/08/18
進む非財務情報開示の
基盤構築
サステナビリティ開示基準の基盤づくりがグローバルで進んでいます。
23年3月期の有価証券報告書より「自由形」で非財務情報の開示を行っている日本企業も、今後は国際的な倫理基準に裏付けられた保証基準に則した開示が求められることになるとみられ、開示する経営戦略に潜在しうる「リスク」に対する態勢を整えることがより重要になると思われます。
Vol.4 2023/06/22
非財務情報開示元年
広がる人的資本開示
23年3月期より有価証券報告書での非財務情報の開示が義務付けられ、上場企業各社の開示が進んでいます。
開示形式は提出会社に裁量が与えられた「自由形」となっていますが、今後の開示においては標準化や定量化が進むとともに、「価値の向上」の観点だけでなく「リスク」マネジメントの観点が一層求められてくるものと思われます。
Vol.3 2023/06/08
セキュリティクリアランス
法制化へ前進
日本政府によりセキュリティ・クリアランス(機密情報取扱者適格性評価)の中間論点整理が公表されています。
機密情報の取り扱いに関する適格性資格について2024年中の法制化が目指されていますが、今後は資格認定時の身辺調査のあり方などが論点となる模様です。
Vol.2 2023/05/18
人権DDに求められる
実効性ある調査
先日、自民党の超党派議員有志が人権デューデリジェンス(DD)法を2023年中に制定すべきとの提言をまとめました。
欧米ではすでに人権DDは義務化されていますが、海外サプライチェーンを含む人権リスク調査がますます重要となってきています。
Vol.1 2023/03/16
企業の内部統制
24年度から開示強化
金融庁は2023年春にも内部統制に関する実務上のガイドラインの改正版を公表します。
24年4月1日以降に始まる事業年度から新基準の適用が始まり、企業は早ければ25年6月頃から新基準で報告書の提出が必要となります。
JPR&C
アナリストレポート
弊社アナリストがお届けする
「リスク・インテリジェンス」
「ビジネス・インテリジェンス」
などに関する情報提供/分析レポートです。
Vol.18 2024/9/17
経済安全保障をめぐる
新たなインテリジェンス・コミュニティの胎動
2024年9月に開催された「ECONOSEC JAPAN 2024」は、経済安全保障に関する国内随一のカンファレンス/展示会です。専門家や企業が知見を共有し、日本の産業界全体の利益を守るための取り組みが紹介されました。特に、サイバーセキュリティやリスクマネジメントの具体的な対策が注目され、企業の経営リスクとしての経済安全保障の重要性が強調されました。こうした取り組みを通じて、いまわが国には、官民や業種の壁を越えた新たな「インテリジェンス・コミュニティ」が形成されつつあります。最新の動向を知りたい方はぜひご覧ください。
Vol.17 2024/7/29
フェイクニュースからみる情報収集の今後 1
生成AIの進化により、私たちの生活には本物と見分けがつかないバーチャルな要素が増えています。フェイクニュースや偽情報が蔓延する中、情報リテラシーの重要性が高まっています。このレポートでは、フェイクニュースの起源や影響、そして私たちがどのように情報と向き合うべきかを探ります。
Vol.16 2024/6/27
統合報告書から読み解く社内インテリジェンス機能の重要性
現代のビジネス環境は、変動性、不確実性、複雑性、曖昧性(VUCA)に満ちています。企業が持続可能な成長を遂げるためには、財務情報と非財務情報を統合した報告書の作成が重要です。本レポートでは、統合報告書の有効性や機能、投資家の意思決定に役立つ情報の提供方法について詳しく解説します。
Vol.15 2024/5/28
「地政学リスク」をめぐる企業インテリジェンス
地政学リスクは、政治や軍事の出来事がビジネスに与える潜在的な影響を指し、グローバル化や国際競争の増加により重要性が高まっています。企業は、特定の地域の事件や構造的な緊張関係、クライシスマネジメントの観点からこのリスクを理解する必要があります。また、地政学リスクを具体的に把握し、ビジネス戦略に組み込むためには、地政学リテラシーが不可欠です。
Vol.14 2024/4/22
企業のリスク調査
ある調査員の視点
クライアントの取引相手となる企業の潜在リスクを調査するためには、その「ビジネスモデル」(その企業が事業体として存属するための活動全体)に着目しつつ、その要素分解、あるいは背景の把握といった作業が不可欠です。本稿では、インテリジェンスカンパニーが実践する企業のリスク評価の要諦について、当社のベテラン調査員がその「深淵」をご案内します。
Vol.13 2024/3/28
SX時代の新たな実務法務
企業の非財務的価値向上のエンジンとなるために
SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)時代の企業経営における「リスクと機会」の新たな関係性、企業のリスクマネジメントにおける「実務法務」の高まる重要性、そして法務・コンプライアンス部門が、企業価値向上――とくに非財務的価値の評価による企業価値向上――にとって不可欠な存在として、持つべき視点や取り組むべき課題について説明します。
Vol.12 2024/2/19
企業ブランディングとインテリジェンス
求められる「守り」と「攻め」の不断の取り組み
企業のマーケティング戦略の上流に位置づけられる“ブランディング”の中でも、近年、とくにB2Bビジネスにおいて、その重要性が注目されている“企業ブランディング”について、その成功のカギが“インナーブランディング(社内ブランディング)”にあることを示した上で、“インナーブランディング”と“リスク・インテリジェンス”との分かちがたい関係性についてご説明します。
Vol.11 2024/1/29
日本企業が直面する
“スパイされるリスク”と“スパイにされるリスク”
近年、従来の軍事的手段に代えて経済的手段による自国の優位性を確保しようとするエコノミック・ステイトクラフト(ES)が活性化する中、いわゆる「産業スパイ」もそうしたESの文脈で展開される傾向がみられます。本稿は、ES時代の産業スパイの最新状況について、日本企業が「スパイされるリスク」と「スパイにされるリスク」の二つの観点から整理し、適切な対応策を考察します。
Vol.10 2023/12/28
ジョン・ル・カレが描いた情報分析の深淵
小説に学ぶインテリジェンス
当社は、日系インテリジェンス・カンパニーとして、企業の経営判断などに資する「精査された情報(インテリジェンス)」をご提供しています。本号では、そもそも「インテリジェンス」とは何か、という点について、英国のインテリジェンス小説の巨匠というべき作家ジョン・ル・カレとその作品を通じて、考えてみたいと思います。
Vol.9 2023/11/27
「ビジネスと人権」をめぐる
企業インテリジェンス
近年、我が国を含む世界の企業にとって避けては通れない重要な経営課題として認識されつつある「ビジネスと人権」について、「人権尊重」、「サステナビリティ」、「エコノミック・ステイトクラフト」など複数の文脈における主要な動向を整理し、それらの動きに個々の企業としてどう向き合うべきか、そしてその際に求められる企業インテリジェンスとはどうあるべきか、について考察します。
Vol.8 2023/10/27
JPR&Cの「リスク・デューデリジェンス®」
について
M&Aなど企業の重要取引にあたり、既存の財務デューデリジェンスなどでは把握しづらい「非財務リスク」「定性的リスク」を洗い出し、取引相手の健全性・適格性の評価につなげるJPR&Cの「リスク・デューデリジェンス®」サービスについて、近年、その重要性が急速に高まりつつある企業の「非財務的価値」という視点から、その特徴をご説明します。
Vol.7 2023/09/29
企業インテリジェンスのフロンティア
現地調査
信頼できる情報を見極めるには、一次情報、二次情報、三次情報の違いを知ることが大切です。今回は企業のリスクマネジメントに不可欠な一次情報に直接アクセスを行う「現地調査」について、具体的な事例も交えつつ必要性や実効性についてご紹介します。
Vol.6 2023/08/02
「企業の地政学的責任」の時代
地政学デューデリジェンスのすすめ
従来、企業の常識であった「政治的中立」から離れ、企業に公共性の高い社会的問題について立場を明確することを求める地政学リスク時代の「企業の社会的責任」という観点から、我が国企業に求められる地政学上のリスクマネジメントの要点についてご紹介します。
Vol.5 2023/07/10
企業インテリジェンスのフロンティア
人的情報収集
企業インテリジェンスの大きな柱である「人的情報収集」の調査実務上の要諦について、「調査の目的」、「情報源の属性」、「アナリストの問題意識」などの切り口から、当社の独自のノウハウや実績も交えてご紹介します。
Vol.4 2023/06/23
企業インテリジェンスとしての
ソーシャルリスク対策
個人による情報発信のみならず、企業のマーケティングにおいても非常に有益なツールであるSNSですが、その一方で炎上などのソーシャルリスクを抱える一面も持ち合わせています。今回はSNSのソーシャルリスクへの対応方法についてご紹介します。
Vol.3 2023/05/19
第三者割当増資をめぐる
戦略的情報収集の重要性
会社の資金調達手段のひとつである「第三者割当増資」について、反社会的勢力の排除や不公正ファイナンスの防止などの「守り」の視点と、M&Aの一手法として戦略的に活用する「攻め」の視点の両面からご紹介します。
Vol.2 2023/04/27
企業インテリジェンスのフロンティア
行動調査
OSINT、HUMINTなどの代表的な手法に比べるとあまりなじみのない調査手法である一方、特に切迫性のあるインシデント対応時に採用されることの多い行動調査について法的、論理的側面から許容されるものなのか、実際の可否判断や実施時の調査設計とうについて、近時の事例も交えてご紹介します。
Vol.1 2023/04/20
日本版「セキュリティ・クリアランス」
に向けた企業の対応
経済安全保障推進法が公布され、2022年8月1日から一部施行されています。
これは安全保障のすそ野を従来の軍事的領域から経済・技術的領域へと拡大し、国際的な比較優位性を担保しようとする「経済安全保障」に関する我が国初の体系的な措置に向けた企業の対応についてご紹介します。